事故物件とはどのような物件か

まずは事故物件の基本を確認しておこう

まずは事故物件の基本を確認しておこう 不動産物件の中には他の物件とは著しく安く取引されているものがあり、その中には「事故物件」と呼ばれるものが少なくありません。
もし、不動産を探しているのであれば、事故物件の基本も確認しておく必要があるでしょう。
事故物件は、不動産取引の対象となっている物件のうち、何らかの原因で敷地内や建物内で以前の居住者が死亡したことがあるもののことをいいます。
訳あり物件や心理的瑕疵物件も、基本的には同じ意味で用いられます。
しかし、定義はこのようになっているものの、どのような不動産が事故物件とされるかに明確な基準はありません。
例えば、殺人や傷害致死事件の現場となった住宅や、放火や失火が原因で居住者が亡くなった住宅は当然訳あり物件に該当しますが、孤独死や自殺などといった事件性が無いものも事故扱いとされていることは少なくありません。
また、周辺に暴力団関係者が出入りする建物がある場合や、迷惑施設がある場合など、前の居住者が死亡していないケースでも訳あり物件に含まれることがあります。

事故物件の買取や売却には告知義務がある

事故物件の買取や売却には告知義務がある 不動産会社が事故物件を取り扱う場合は、その不動産が事故物件であることを説明する義務があります。
これは、宅地建物取引業法の第47条の規定により、宅建業者が取扱物件に心理的瑕疵があることを知りながら相手方に告知せずに取引を行うことが違法行為とされているためです。
しかし、宅地建物取引業法には、告知の対象となる事故の範囲や説明義務が生じる期間などといったルールはありません。
したがって、事故物件であるかどうかを希望者に伝えるかどうかは不動産会社が独自の基準によって判断していました。
不動産業界の関係者や専門家の中からは、このような状況が取引の阻害要因となっているという指摘もありました。
国土交通省はこの指摘を踏まえて、2020年2月に検討会を立ち上げ、内部での議論やパブリックコメントの内容を踏まえて、2021年10月8日にガイドラインが策定されました。
今後、居住用不動産の取引においてはこのガイドラインの基準にしたがって事故物件の周知が行われることとなります。